「専業主婦は家事と育児だけしていればいいから気楽でいいよね。」
兼業主婦の知人からこれを言われたとき、
カチンときたと同時に悲しくなりました。
なかなか理解してもらえないけど、
専業主婦には専業主婦の辛さがあるんです。
特に子供が小さい頃は24時間どこにも逃げ場がなく、言い訳もできず、
完全に子供に合わせた生活の中で日常の家事をこなすという、
奴隷みたいな日々でした。
初めからもっと夫を頼ればよかったのですが、
どこかに「自分は働かずに養ってもらっている」という劣等感があったのか、
育児は自分の仕事だから夫に迷惑を掛けてはいけないという気持ちで、
一人で背負って耐えていました。
そんな私が、ある気づきによって、
この大変な時期を上手く乗り越えることができたのです。
専業主婦の育児は大変
我が家の場合は、子供が小さい間は母親が完全に
子供と向き合って育児をした方が良い、という方針でしたので、
私は外で働かないことを決めていました。
その代わり、家のことと子供のことは私がメインで行い、
夫は仕事に集中してしっかり生活費を稼いでくる、というのが暗黙の了解でした。
外で働くことはもちろん大変ですよ。
上司やお客に理不尽な理由で怒られたり、気の合わない職場の人に
気を使ったり、通勤も大きなストレスの原因です。
それでも専業主婦の私が夫を羨ましいと感じたことは、
自分のペースで動けるということ。
トイレに行きたくなったらトイレに行くとか、
飲みたいときに熱いコーヒーを飲むとか。
そんな小さなことも、子供と生活していると叶わないんです。
タイミングを見計らってやっとトイレに行けても、
後をつけてドアを叩いて泣かれるし、
寝かしつけてゆっくりお風呂に入ろうものなら、
目を覚ましてギャン泣きを始める。
何をしていても、子供のこととなれば中断しなければなりません。
子供の機嫌がいい時は夫も可愛がって遊ぶのですが、
泣き始めると、もう自分の出番ではないとでもいうように、
私に任せてしまうのです。
「自分の子供でしょ?」
「もうちょっと泣き止ますために頑張ってくれてもいいんじゃない?」
という気持ちを押し込めて、いつも私が駆けつけていました。
夜中にどんなに眠くても子供が泣けば起きてあやす。
癇癪をおこしてせっかく作った離乳食をひっくり返されても片づけて作り直す。
子供が胃腸炎になって看病しながら嘔吐物のついたシーツを洗濯する。
洋服までうんちが漏れたまま逃げ回る子を追いかけて洗ってあげる。
こんな日常も全て自分の仕事だと思い、
身も心もズタズタになって育児をしていました。
大変な育児を乗り切った方法
一人で全部しようとせず人を頼る
まず、専業主婦だからといって、夫や周りに
頼ってはいけないわけではないということに気づきました。
我が家の場合、一人目の子が赤ちゃんの頃に、夫の仕事で海外に
引っ越したのですが、夫は新しい地で忙しくしていたし、
近くに頼れる親もいませんでした。
引っ越したばかりの頃は相談できる友達もいなかったので、
とても不安な環境で子育てをしていました。
しかし、徐々にできた友達から、
海外ではベビーシッターの文化が浸透していて、
誰でも気軽に信頼できるシッターさんを頼めるということを知りました。
さらに、海外のママたちは、子供をシッターさんに預けて買い物に行ったり、
夫と素敵なレストランで食事をしたりして、QOL(生活の質)を高めている、
という話を聞き驚きました。
「子供が可哀そう」とか「そんなの母親失格だ」という思いとともに、
出産後に助産師さんから言われた言葉を思い出しました。
「赤ちゃんにとって一番嬉しいことは、ママがハッピーでいることですよ。」
確かに、いつもいっぱいいっぱいのお母さんと接しているよりも、
穏やかなお母さんに100%の愛情を注いでもらった方が子供も嬉しいし、
たまに他の人と遊ぶことは子供の刺激になって発達も促されます。
それからは私も時々シッターさんに来てもらい、
私自身をリフレッシュする時間を取るようにしました。
自分の気持ちに余裕ができ、笑顔が増えると、
子供の性格も落ち着いてきたようにみえました。
子供はママの心を映し出す鏡なんですね。
ベビーシッターでなくても、旦那さんに頼んで週末に美容院に行くとか、
ちょっと両親に見てもらってショッピングに行く時間を作ってみてください。
きっとお子さんにも笑顔が増えるはずです。
さらに良いことに、私がいない時間は夫が自分で何とかしようと努力して、
以前より子供をあやすのが上手になりましたし、
私の大変さも少しは理解してもらえるようになりました。
両親にとっても孫をみることは癒しの時間になったようです。
家事の手を抜く
次に、専業主婦だからといって家事を完璧にする必要はないと気づきました。
ちょっとSNSを覗くと、優雅な食卓で子供達と食事をしている写真を
見ることがありますが、私はいつも
「ウソでしょ!」「絶対つくられてる!」「無理してる!」
と思ってしまいます。(笑)
小さい子供がいる食卓の現実は戦場ですよね。
口に合わないものはブーって出しちゃうし、
さっきこぼした牛乳を拭いている間に、
今度は味噌汁をこぼしてくれます。
食べこぼしをキャッチしてくれる
ランチョンマットやエプロンなどのグッズを使って、
頑張ってこの時期を乗り越えましょう。
今は材料を入れて放置しておくと調理してくれる電気圧力鍋や、
お掃除ロボットなどの便利な家電がありますよね。
そうゆう物をうまく利用するのも家事を楽にする手かもしれません。
自分で自分を褒めてあげる
育児って失敗したときは周りから攻められるのに、
いくら頑張っても評価されて褒められることってないんですよね。
それが当たり前と思われているから。
でも、こんなに大変な仕事を24時間365日しているんですよ。
ちょっとおかしいかもしれませんが、私は「自分が自分を褒めてあげる」
ということを実践していました。
人は褒められると力を発揮するということはスポーツ界でも有名な話ですし、
心理学的にも自分を褒めることは自己肯定感を高めるといわれています。
一日の終わりに心の中で唱えればいいのですが、私は声に出して言ってました。
「こんなに疲れてるのに、子供を寝かしつけた私って偉い!」とか、
「こんなに忙しいのに、2品もおかずを作った私ってすごい!」とか。
夫はそんな私をちょっとイタイと思ったんでしょうね。
同情して「そうだね」って言って、たまには褒めてくれるようになりました。(笑)
まとめ
1. 一人で全部しようとせず人を頼る
2. 家事の手を抜く
3. 自分で自分を褒めてあげる
そんな苦労で育てた子も今年で10才になりました。
あの頃の話をしてもよく覚えていないようですが、
私と一緒に歌を歌ったり、近所の公園で遊んだ楽しかった記憶は
何となく残っているようです。
今では私のことをいたわってくれる優しい子に育っています。
育児はやり直したいと思ってもやり直せません。
今を大切にして、楽しい思い出をたくさん作っていきたいですよね!